パッと見て分かりやすいように、スライド資料も作りました。
ぜひ参考にしてください。(スライドは、notebookLMで作成しました)
前回、第7回では、ルールを守り証拠を残す「文書と記録」の重要性を学びました。第8回は、いよいよ私たちのモノづくりの本丸、「現場の運用(うんよう)」についてです。
「品質は最後の検査で保証するものではなく、途中の工程で作るもの」という考え方が、ISOの、そして豊和鍛工のモノづくりの基本です 。
1. マニュアルにはこう書いてあります:運用の計画及び管理
私たちのIMSマニュアルの「8.1 運用の計画及び管理」および「8.5 製造及びサービス提供」では、製品を作るための具体的なルールが定められています。
- 基準を決める (8.1):
製品を合格とするか不合格とするかの「合否判定基準」を明確にします 。 - 管理された状態で実行する (8.5.1):
図面、QC工程表、適切な設備、監視測定機器(計りなど)を作業者がいつでも使えるようにしておきます 。 - 「特殊工程」の妥当性確認:
鍛造焼入れや熱処理など、後で検査しても中身がちゃんとできているか分かりにくい工程を「特殊工程」と呼び、決まった条件(温度や時間)と、資格を持った人で作業することを厳しく管理します 。 - 識別とトレーサビリティ (8.5.2):
すべての製品が「何であるか」を識別し、万が一のときに「いつ、どの材料で作ったか」を遡(さかのぼ)れるようにします 。
2. 具体的には……豊和鍛工の現場をどうコントロールする?
豊和鍛工の強みである型鍛造を支える仕組みは、大きく分けて以下の3つです。
① 「QC工程表」は現場の地図
材料の受け入れから、鍛造、熱処理、検査、出荷まで、どの工程で誰が何をチェックし、どの記録を残すかがすべてこの表に書かれています 。
- やること:作業前にQC工程表を確認し、今の作業でチェックすべき項目を把握してください 。
② 「ロット管理票」で履歴を追いかける
製品のバケツや箱には必ず「ロット管理票」が付いています。ここには品番、鍛造年月日、材料のチャージNo.などが記載されています 。
- やること:次工程に送る際、ロット管理票が正しく付いているか、中身と合っているかを確認してください 。これが「識別(しきべつ)」です。
③ 「特殊工程」は条件がすべて
熱処理などの工程では、設備や作業条件が変わった場合、必ず「妥当性の再確認」を行います 。
- やること:熱処理課や製造課の皆さんは、定められた「条件表」どおりの温度やスピードで作業していることを、常に意識してください 。
3. 現場の私たちは何をすればいいの?
① 適合品だけを次へ送る
受け入れ確認や工程内検査で、ルールに合格した製品だけを次工程に送るための「置き場所」による識別を徹底しましょう 。
- アクション:合格品、不合格品、保留品が混ざらないよう、置く場所を明確に分ける 。
② ヒューマンエラーを防ぐ工夫
マニュアルには「ヒューマンエラーを防止するための処置」も含まれています 。
- アクション:作業ミスが起きやすい箇所には、写真付きの手順書を掲示したり、治具(じぐ)を使って間違えられないようにしたりする工夫を積極的に提案してください 。
③ お客様からの「預かり物」を大切に
顧客から支給された材料や図面は「顧客所有物」として、紛失や損傷がないよう注意深く扱います 。
- アクション:支給材に異常を発見したら、すぐに「支給材料品異常連絡書」で報告してください 。
今回のまとめ:作成・確認する帳票
モノづくりの流れを支える重要な書類です。
- QC工程表:現場の全工程のルールが詰まった「マスター図」です 。
- ロット管理票:製品の身分証明書であり、トレーサビリティの鍵です 。
- 作業日報・検査記録表:合否判定基準に適合していることを実証する証拠です 。
- 有資格者リスト:特殊工程などを担当できるプロの証明です 。
先輩マネージャーより一言
鍛造の現場は、熱気もあり非常にタフな環境です。
その中で細かな「識別」や「記録」を行うのは本当に大変だと思います。
しかし、ISOの運用は「料理」に似ています。
最後においしい(高品質な)料理を出すためには、新鮮な材料を選び、決まった火加減を守り、調味料を正しく量ることが欠かせません。
出来上がってから「塩辛すぎた!」となっても、元に戻すのは大変だからです。
各工程で皆さんが「よし、合格!」と確認してくれる積み重ねが、豊和鍛工のブランドを支えています。
次回、第9回は「健康診断で会社を良くする『内部監査』」です。
外から誰かがチェックしに来る……と聞くと身構えてしまいますが、実は現場の「困りごと」を解決する絶好のチャンスです。その活かし方をお話しします。
次回の勉強会に向けて:
「今の作業ルール、ちょっと無理があるな」と感じていることはありませんか?第9回の「内部監査」は、それを正々堂々と会社に伝えるための仕組みでもあります。

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