投稿者: HOWAnote

  • 豊和鍛工流・ISO勉強会:第6回「匠の技を次世代へ! プロとして必要な『力量』と『教育』」

    豊和鍛工流・ISO勉強会:第6回「匠の技を次世代へ! プロとして必要な『力量』と『教育』」


    パッと見て分かりやすいように、スライド資料も作りました。
    ぜひ参考にしてください。(スライドは、notebookLMで作成しました)




    前回は、私たちが達成すべき「毎年の宿題(年度方針)」について学びました
    目標を達成するためには、それを実行する「人の力」が欠かせません。

    第6回では、豊和鍛工の魂である「型鍛造技術」を守り、私たちがプロの職人(匠)として成長するためのルール、「力量(りきりょう)」と「教育・訓練」について解説します。



    1. マニュアルにはこう書いてあります:力量と認識のルール

    私たちのIMSマニュアルの「7.2 力量」および「7.3 認識」では、働く人に求められる能力と、その高め方について定められています 。

    • 力量の明確化 (7.2): 製品の品質や環境への影響に関わる仕事をする人に、どのような「能力」が必要かを会社が決めます 。
    • 教育・訓練の実施: 必要な能力が不足している場合、教育や訓練(OJTなど)を行って、その能力を身につけさせます 。
    • 有効性の評価: 教育を受けた後、「本当に仕事ができるようになったか」を上司が確認します 。
    • 認識の徹底 (7.3): 全員が「IMS方針」や「自分の仕事が会社の役に立っていること」、「ルールを守らないとどうなるか」を理解している状態にします 。



    2. 具体的には……どうやって「プロ」を育てるの?

    豊和鍛工では、以下のステップで皆さんのスキルアップをバックアップしています。

    ① 「できること」の見える化

    皆さんが今どの作業ができるのか、次に何を覚えるべきなのかを「スキルマップ表」や「有資格者リスト」で管理しています 。

    これにより、経験の浅い若手でも、資格者の監視の下で計画的に技術を習得できます 。

    ② 3つの教育ステップ

    1. 新入社員教育:
      入社時に必要な安全教育や環境のルールを学びます。
    2. IMSの知識:
      自分の仕事が「品質目標」や「環境保護」にどう繋がっているかをミーティング等で学びます。
    3. 専門教育(OJT):
      現場での実作業(On The Job Training)を通じて、プロの「匠の技」を直接受け継ぎます。

    ③ 「やりっぱなし」にしない評価

    教育を受けた直後に終わりではありません。
    部署長が、皆さんの作業の様子を見たり、ヒアリングを行ったりして、「本当に教育の効果があったか」を評価し、記録に残します。



    3. なぜ「記録」が大切なの?

    ISOでは「教育した証拠」を非常に重視します。これには2つの理由があります。

    • 技術の引継ぎの証拠: IMS基本方針にある「技術を若手へ引き継ぐ」ことが、口約束ではなく着実に進んでいることを証明するためです 。
    • 皆さんの努力の証明: 「ここまでできるようになった」という記録は、皆さんの成長の足跡であり、プロとしての信頼の裏付けになります。



    今回のまとめ:作成・確認する帳票

    皆さんの成長とプロ意識を支える大切な書類です。

    • スキルマップ表 / 有資格者リスト:
      誰がどの仕事を担当できる能力(資格)を持っているかを示す一覧表です 。
    • 教育・訓練報告書:
      社外研修や特別な教育を受けた際に、その内容と感想、上司による評価を記録する書類です 。



    先輩マネージャーより一言

    豊和鍛工のIMS基本方針には、「全社員が、磨き上げられた、技を、持つ職人(匠)となる」という熱い想いが込められています 。

    ISOの力量管理は、決して皆さんをランク付けして縛るためのものではありません。

    むしろ、皆さんの「得意なこと」を伸ばし、「苦手なこと」をフォローし合うためのチーム編成のツールです。

    現場で「この作業をもっと詳しく知りたい」「あのベテランの技を盗みたい」と思ったら、ぜひ上司に伝えてください。
    その声が、次回の教育計画に繋がります。

    次回、第7回は「豊和鍛工のルールを守る『文書と記録』」です。

    「言った・言わない」を防ぎ、確実に仕事を進めるための事務的なルールのキモをお話しします。



    次回の勉強会に向けて:

    ご自身の「スキルマップ」が今どうなっているか、見たことがありますか? 自分が次に挑戦したい工程や、もっと極めたい技術について、ぜひイメージしておいてください。

    第7回は、「文書と記録」について。

    なんであんなに書くのが面倒くさい資料をいっぱい作るんだろうな、と思っているあなた。
    実は自分を守るために、たいせつな記録になっています。

  • 豊和鍛工流・ISO勉強会:第5回「毎年の『宿題』を決めよう!年度方針と目標達成のルール」

    豊和鍛工流・ISO勉強会:第5回「毎年の『宿題』を決めよう!年度方針と目標達成のルール」


    パッと見て分かりやすいように、スライド資料も作りました。
    ぜひ参考にしてください。(スライドは、notebookLMで作成しました)




    前回は、私たちが直面する「リスクと機会」をどう見つけるかを学びました。

    第5回となる今回は、それらの課題を解決し、会社をより良くするために立てる具体的な「毎年の宿題」、つまり年度方針(IMS目標)について解説します。

    「良い製品を作る」「環境を大切にする」といった抽象的な掛け声だけで終わらせず、数字を使って具体的に動くためのルールを整理しましょう。



    1. マニュアルにはこう書いてあります:目標設定の7つのルール

    私たちのマニュアルの「6.2.1」には、年度方針(目標)を立てる際に必ず含めるべき条件が定められています 。

    1. IMS方針と整合していること:会社の「看板(基本方針)」とズレていないこと 。
    2. 測定可能であること:あとで「達成できたか」がハッキリわかるよう、数字などで表すこと 。
    3. 適用される要求事項を考慮する:法律やお客様との約束を守る内容であること 。
    4. 製品の適合と顧客満足に関連していること:品質アップやお客様の喜びに直結すること 。
    5. 監視すること:立てっぱなしにせず、途中の経過をチェックすること 。
    6. 伝達すること:全社員がその目標を知っている状態にすること 。
    7. 必要に応じて更新する:状況が変わったら見直すこと 。



    2. 具体的には……どうやって「宿題」が決まるの?

    豊和鍛工では、以下のステップで年度方針の計画を立てています

    • ステップ1:最高責任者による検討(3月)
      最高責任者が今期の達成状況を振り返り、来期の課題を検討して、会社全体の進むべき方向を決定します 。
    • ステップ2:各部署での「重点実施事項」立案
      部署長(課長など)は、会社の方針を受けて、自分の部署で具体的に「何をやるか」を考えます 。
    • ステップ3:計画の承認
      具体的な目標値とアクションプランを「年度方針計画表」に記入し、最高責任者の承認を得ます 。



    3. 「やりっぱなし」を防ぐためのルール

    マニュアルの「6.2.2」では、目標を達成するために「何を書かなければならないか」も細かく決まっています 。

    【計画に盛り込むべき5つの項目】

    • (a) 実施事項(具体的に何をするか)
    • (b) 必要な資源(どんな道具、予算、人が必要か)
    • (c) 責任者(誰がリーダーか)
    • (d) 完了時期(いつまでに終わらせるか)
    • (e) 結果の評価方法(どうやって「成功」と判断するか)

    進捗管理のポイント:
    部署長は毎月、進捗状況を確認します 。
    もし目標に届いていない場合は、そのままにせず、新しい対策を追加して達成を目指します 。
    最高責任者も「部課長会議」でこれらの状況を厳しくチェックし、必要な指示を出します 。



    今回のまとめ:作成・確認する帳票

    年度方針に関連する、最も重要な書類はこちらです。

    • 年度方針計画表
      これが豊和鍛工の「1年間の通信簿」の台帳になります。
      皆さんの部署の掲示板などに最新の進捗が貼られていないか、ぜひ確認してみてください。



    マネージャーより一言

    ISOの目標は、決して「100点満点を取ること」だけが目的ではありません。

    もし目標が未達だったとしても、
    「なぜ届かなかったのか?」「次はどうすればいいのか?」
    を真剣に考えるプロセスこそが、ISOが求める「継続的改善」です。

    皆さんの日々の作業(例えば、1個の不良を減らす工夫や、エアー漏れを見つけて報告すること)が、この「年度方針計画表」の数字を動かし、会社を支えています。

    次回、第6回は「プロとして必要な『力量』と『教育』」です。

    私たちがプロの職人(匠)として成長し続けるために、会社がどのように皆さんのスキルをバックアップしているのかをお話しします。



    次回の勉強会に向けて:

    皆さんの部署で掲げられている「今年の目標」を一つ、思い出してみてください。それは「数字」で言えるものになっていますか?もし分からなければ、ぜひ上司に「私たちの部署の今の達成度はどれくらいですか?」と聞いてみてください。

  • 豊和鍛工流・ISO勉強会:第4回 石橋を叩いて渡る「リスクと機会」 〜トラブルを予知し、チャンスを掴む〜

    豊和鍛工流・ISO勉強会:第4回 石橋を叩いて渡る「リスクと機会」 〜トラブルを予知し、チャンスを掴む〜


    パッと見て分かりやすいように、スライド資料も作りました。
    ぜひ参考にしてください。(スライドは、notebookLMで作成しました)




    「うわ、また対策書だ・・・」

    ISOとか、対策書、とかいう単語を聞くと「起きたミスを反省する」イメージが強いかもしれませんが、実は「ミスが起きる前に手を打つ」ことこそが本質です 。

    これをマニュアルでは「リスク及び機会への取り組み」と呼んでいます。

    不確実な世の中で、豊和鍛工が安定して良い製品を作り続けるための「予知能力」について学びましょう。



    1. 「リスク」と「機会」って具体的に何?

    ISOにおける定義を、現場の言葉に翻訳すると以下のようになります。

    • リスク(望ましくない影響): 「放っておくと困ること、損をすること」です 。
      • 例:ベテラン職人の退職による技術の断絶、設備の老朽化による突然の故障、原材料の高騰 。
    • 機会(望ましい影響): 「うまく活かせば得をすること、成長のチャンス」です 。
      • 例:最新設備の導入による生産性アップ、若手向けのIT教育によるミスの削減、新しい取引先の獲得 。



    2. マニュアルにはこう書いてあります:取り組みの手順

    マニュアル参照箇所:[6.1 リスク及び機会への取り組み]

    豊和鍛工では、以下のステップでこれらを管理するように定めています

    1. 特定する: 何がリスクで、何がチャンスかを洗い出す 。
    2. 分析・優先順位付け: どれが一番ヤバいか?(影響の大きさ)を考える 。
    3. 処置を計画する: どうすれば回避できるか、どうすればチャンスを掴めるか計画を立てる 。
    4. 実施する: 決めた対策を実際に行う 。
    5. 有効性の確認: その対策は本当に効いたのか?を確認する 。
    6. 継続的改善: 経験を次に活かす 。

    これらの決定は、主に「部課長会議」で行われ、年度末に見直しがされます 。



    3. 現場の私たちは何をすればいいの?

    リスク管理は、会議室の中だけで完結するものではありません。現場の皆さんの「気づき」が最大の武器になります。

    ① 「いつもと違う」を報告する

    「最近、機械の音が変だな」「この作業、今の手順だといつか誰かがケガをしそうだな」といった感覚は、立派な「リスクの芽」です。

    • アクション: 異常を感じたら、すぐに班長や課長に相談してください。それが大きなトラブル(不適合)を防ぐ「予防処置」になります 。

    ② 改善のヒント(機会)を提案する

    「ここにデジタルカメラを設置すれば、検査がもっと楽になるのに」といったアイデアは、会社の「機会」です。

    • アクション: 現場を楽にする、品質を上げるアイデアを積極的に声に出してください。



    4. 今回のまとめ:作成・確認する帳票

    リスクと機会の取り組みを支える大切なデータは、主に以下の書類に残ります。

    帳票名役割
    部課長会議議事録リスクと機会を決定し、対策を話し合った証拠です
    FMEA(故障モード影響解析)製品の欠陥が起きる原因を事前に分析するツールとして、必要に応じて利用します
    是正処置報告書トラブルが起きた際、「リスクが現実化した」と捉えて再発防止策を記録します





    マネージャーより一言

    「石橋を叩いて渡る」という言葉がありますが、ISOのリスク管理は、叩いて壊れそうな橋を見つけるだけでなく、「隣にもっと安全で短い橋をかけるチャンスはないか?」と探すことでもあります。

    皆さんが現場で感じる「ヒヤリ・ハット」や「こうしたい!」という声が、豊和鍛工をより強くします。

    次回、第5回は「毎年の『宿題』を決めよう!年度方針」です。

    洗い出したリスクや機会を、どのように具体的な「数値目標」に落とし込んでいるのかを解説します。

  • 豊和鍛工流・ISO勉強会:第3回「誰が何を決めるの? チームでつなぐ『役割と責任』」

    豊和鍛工流・ISO勉強会:第3回「誰が何を決めるの? チームでつなぐ『役割と責任』」

    パッと見て分かりやすいように、スライド資料も作りました。
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    前回は会社の大きな看板である「IMS基本方針」について学びました 。
    今回は、その方針を実現するために、「誰が、どのような責任を持って動くのか」という、組織のチームワークのルールについて解説します。

    ISOは「誰か一人が頑張るもの」ではありません。
    ラグビーのパス回しのように、全員が自分の役割を理解してバトンをつなぐことで、初めて最高品質の鍛造品が完成するのです 。


    1. マニュアルにはこう書いてあります:組織の役割、責任及び権限

    私たちのIMSマニュアル(箇条5.3)では、会社を支える主要な役割が明確に定められています 。

    ① 最高責任者(社長)

    豊和鍛工のIMS運営において、最終的な説明責任を負うリーダーです 。

    • 役割: IMSが意図した結果を達成できるよう指揮し、必要な「人・モノ・予算」などの経営資源を確保します 。
    • 現場への関わり: 皆さんが「仕事がやりづらい」「設備が古くてミスが起きやすい」と感じたとき、それを解決するためのリソースを整える決断を下します 。

    ② 管理責任者・品質保証責任者

    最高責任者から任命され、実務の舵取りを行う責任者です

    • 管理責任者: 仕組み(IMS)が規格どおりに動いているかを確認し、その状況を最高責任者に報告します 。
    • 品質保証責任者: 「顧客満足」を達成するために、社内から様々なアプローチを行い、品質を安定させる役割を担います 。

    ③ 各部門の責任者(部課長)

    現場の最前線でルール(標準)を徹底させるリーダーです。

    • 役割: 自分の部署の目標を立て、メンバーのスキル(力量)を把握し、必要な教育訓練を行います 。



    2. 豊和鍛工の「組織図」を見てみよう

    マニュアルの「表-1 対象組織及び主な業務内容」には、各課の具体的な仕事が定義されています

    部署名主な業務内容(ISO上の役割)
    IMS事務局内部監査の運営、文書管理、外部との窓口業務
    総務課教育・訓練の取りまとめ、財務、人事管理
    品質保証課品質保証活動の主導
    業務課営業、調達、生産計画の立案、材料・型の手配
    製造一課・二課型鍛造品の製造、コイニング、孔あけ、出荷業務
    技術課生産準備、設備保全
    熱処理課鍛造品の焼戻し
    保全課設備保全 、金型整備

    このように、あなたにとっては当たり前の役割に見えますが、ISOではこれらを「文書化」して明確にすることを求めています 。

    誰が何に対して責任を持つかがハッキリしていれば、トラブルが起きたときも迷わずに報告・相談ができるからです 。



    3. 具体的に、現場の私たちは何をすればいいの?

    「責任」と聞くと難しく感じますが、現場の皆さんに守ってほしいことはシンプルです。

    ① 自分の「守備範囲」を知る

    自分がどの課に属し、どの工程を担当しているか。その工程で「絶対に守らなければならないルール」は何かを確認してください

    • アクション: 現場に掲示されている組織図や、自分の職務内容(何を担当しているか)を再確認する。

    ② 「勝手な判断」をしない

    ISOでは権限も決まっています。「これくらいならいいだろう」と個人の判断でルールを変えてしまうと、後の工程で大きな不適合(ミス)につながります

    • アクション: 判断に迷うことがあれば、マニュアルで定められた「上司(責任者)」にすぐに相談する。

    ③ 積極的に参加する

    ISOの原則の一つに「人々の積極的参加」があります 。
    皆さんの現場での気づきが、仕組みを良くする一番のヒントになります 。

    • アクション: 「この作業手順はもっとこうした方が楽だ」「この設備は壊れそうだ」といった意見を、責任者に伝える 。



    4. 今回のまとめ:確認する帳票

    第3回に関連する、組織のルールを支える資料です。

    • 表-1 対象組織及び主な業務内容: IMSマニュアルの9ページにあります 。自分の課がどのような役割を担っているか、一度目を通してください。
    • 有資格者リスト(または力量表): 誰がどの作業を任されているか(権限)を管理する大切なリストです 。



    先輩マネージャーより一言

    ISOにおける組織は、時計の歯車のようなものです 。 大きな歯車(経営層)が回っても、小さな歯車(現場の一人ひとり)が噛み合っていなければ、正確な時間を刻む(=良い製品を作る)ことはできません

    「自分の仕事は、次の工程の誰に影響するのか?」

    この視点を持つだけで、豊和鍛工のチーム力は劇的に向上します。

    次回、第4回は「石橋を叩いて渡る『リスクと機会』です。

    不確実な時代を勝ち抜くために、私たちが事前にどんな準備をしているのか、その裏側をお話しします。

    一緒に「強い現場」を作っていきましょう!

  • 豊和鍛工流・ISO勉強会:第2回「豊和鍛工の『方向性』を理解しよう 〜IMS基本方針の深掘り〜」

    豊和鍛工流・ISO勉強会:第2回「豊和鍛工の『方向性』を理解しよう 〜IMS基本方針の深掘り〜」


    パッと見て分かりやすいように、スライド資料も作りました。
    ぜひ参考にしてください。(スライドは、notebookLMで作成しました)




    前回は「ISOは世界共通のモノサシ」というお話をしました 。今回は、私たちの会社がそのモノサシを使ってどこを目指すのかを示したIMS基本方針(豊和鍛工の方向性)について一緒に学んでいきましょう。


    1. 「IMS基本方針」は会社とお客さまへの約束

    私たちのマニュアル(箇条5.2)には、「最高責任者はIMS方針を定める」とあります 。
    これは単なるきれいごとではなく、豊和鍛工が「社会やお客様に対して、何を守り、何を目指すのか」を約束した、いわば「会社の看板」です 。

    2026年1月1日現在、事務所や工場内に掲示されている「IMS基本方針」は、2025年4月1日に改訂された「第11版」です。会社の方針(IMSマニュアル)が改訂されるたびに、最新版に貼りかえられます。



    2. 現場で意識してほしい「7つの重要ポイント」

    豊和鍛工IMSマニュアルの基本方針には、具体的に取り組むべき項目が並んでいます 。
    ここでは、特に現場の皆さんに深く関わる部分をピックアップしました。

    ① 技術の引継ぎ(匠の技)

    豊和鍛工の魂である「型鍛造」の技術を絶やさないための項目です。

    • 現場での意味: 全社員がプロ意識を持ち、磨き上げられた「匠」の技を若手にしっかり伝えていくこと。

    ② 人材育成(「異常」を敏感に感じる力)

    不具合(不適合)を未然に防ぐために最も重要なのは、人の力です。

    • 現場での意味: 品質不良の予兆である「いつもと違う(異常)」にいち早く気づき、不良発生を未然に防げる人を育てること。

    ③ 継続的改善(ムダを減らす)

    「今のままでいい」と止まらない姿勢です。

    • 現場での意味: 省エネ・省資源・廃棄物の削減に取り組み、環境への負担を減らすこと。

    ④ 気候変動への配慮(2025年からの新しい目標)

    最新版で追加された、非常に重要な項目です

    • 現場での意味: 地球温暖化などの気候変動が私たちの仕事に与える影響を考え、対策を講じること。



    3. マニュアルにはこう書いてあります:方針の伝達

    マニュアルの5.2.2項には、この方針について以下のルールが定められています

    (a) 文書化した情報として利用可能な状態にされ、維持される (b) 組織内に伝達され、理解され、適用される

    つまり、「掲示されているだけ」ではダメだということです。私たち一人ひとりがその内容を理解し、自分の作業にどう関係しているか言える状態にすることが、ISOが求めている「浸透」です 。



    4. 具体的に、私たちは何をすればいいの?

    この「看板」を形だけで終わらせないために、今日からできるアクションを確認しましょう。

    ① 「掲示物」をもう一度見る

    朝礼やミーティングの際に、掲示されている基本方針に目を向けてください。

    • アクション: 7つの項目のうち、自分の今日の仕事(例えば、型の手配や製品チェック)に最も近いものはどれか探してみる。

    ② 「匠の技」を言語化する

    「背中を見て覚えろ」ではなく、ISOの考え方を取り入れます。

    • アクション: ベテランの方は、コツを「手順書」に残すためのヒントを出す。若手の方は、分からないことを「なぜ?」と質問し、メモに残す。

    ③ 小さな省エネを実践する

    基本方針にある「環境影響の継続的な改善」に直結します

    • アクション: 休憩中の機械の主電源を切る、エアー漏れを見つけたら報告するなど、日々の「ムダ」を削る。



    今回のまとめ:作成・確認する帳票

    第2回に関連する大切な記録と文書です。

    • IMS基本方針(掲示物): 必ず、現時点での最新版が掲示されているか確認してください 。
    • 教育・訓練報告書: 方針についての勉強会(この会も含む)に参加したら、理解した証拠として記録を残します 。



    先輩マネージャーより一言

    基本方針は、迷ったときの「判断基準」になります。 「納期に追われているけれど、異常に気づいた。どうしよう?」と迷ったとき、基本方針の「『異常』を敏感に感じる人材育成」を思い出してください 。
    異常を報告することは、会社が目指す方向そのものなのです。

    次回、第3回は「誰が何を決めるの?『役割と責任』」です。

    誰がリーダーシップを執り、私たちは誰に報告すべきなのか。組織のルールを整理しましょう!

  • 豊和鍛工流・ISO勉強会:第1回「ISOってそもそも何?私たちの仕事にどう役立つの?」

    豊和鍛工流・ISO勉強会:第1回「ISOってそもそも何?私たちの仕事にどう役立つの?」

    パッとみて分かりやすいように、スライド資料を用意しました。(スライドは、notebookLMで作成しました)
    ぜひこちらも見てみてください。




    第1回となる本日は、基礎中の基礎。
    「そもそもISOって何なの?」
    という疑問を解消していきましょう。


    1. ISOは「世界共通のモノサシ」

    「ISO(アイ・エス・オー)」とは、「国際標準化機構(International Organization for Standardization)」の略称です 。

    この組織が制定しているのが「ISO規格」であり、一言で言えば「世界共通のモノサシ(基準)」のことです 。

    例えば、

    • 非常口のマーク(緑色の人が走っているマーク)
    • クレジットカードのサイズ
    • ネジのサイズ

    なども、ISOで決められた世界共通のルールです 。
    これがあるおかげで、私たちは言葉が通じない国に行っても非常口がどこか分かり、どの国のATMでもカードが使えます 。
    私たちの豊和鍛工が取得しているのは、この「モノ」の規格ではなく、「組織の運営ルール」に関する規格です 。

    会社ってこんなもんだよね、の言語化をしています。



    2. 豊和鍛工が取り組む2つのISO

    豊和鍛工では、以下の2つの国際規格を合体させた仕組みを運用しています。

    ① ISO 9001(品質マネジメントシステム:QMS)

    製品やサービスの品質を継続的に改善し、顧客満足を高めるための仕組みです

    • 目的:一貫した製品・サービスの提供と、顧客満足の向上 。
    • 現場での意味:「いつでも、誰が作っても、お客様が喜ぶ高品質な鍛造品を届けること」です 。

    ② ISO 14001(環境マネジメントシステム:EMS)

    企業が環境影響を最小限に抑え、環境保護に取り組むための枠組みです

    • 目的:環境を保護し、変化する環境状態に対応すること 。
    • 現場での意味:「電力や材料などのムダを減らし、ゴミ(廃棄物)を適切に管理して、地域社会や地球に優しい仕事をすること」です 。

    豊和鍛工では、これらをバラバラに運用するのではなく、「IMS(統合マネジメントシステム)」として一つのマニュアルにまとめています 。
    これにより、品質向上と環境配慮を同時に進める「豊和鍛工らしいモノづくり」を目指しています 。


    3. マニュアルにはこう書いてあります:豊和鍛工IMSの目的

    私たちの「IMSマニュアル」の冒頭(1.1 目的)には、以下のように書かれています。

    「ISO9001:2015、ISO14001:2015の要求事項に基づいて、システム、製品、プロセスの継続的改善及び不適合の予防を図り、顧客満足及び環境パフォーマンスの向上を目指す」

    これを「現場の言葉」に翻訳すると、こういうことです。

    1. 継続的改善:昨日より今日、今日より明日、もっと良い仕事ができるように工夫し続ける 。
    2. 不適合の予防:ミスや不良品(不適合)が起きないように、先回りして対策する 。
    3. 顧客満足の向上:お客様に「やっぱり豊和鍛工の鍛造品はすごいな!」と感動してもらう 。
    4. 環境パフォーマンスの向上:電気代を節約したり、材料のムダを削ったりして、効率よく仕事をする 。


    4. 具体的に、現場の私たちは何をすればいいの?

    ISOは「審査員に見せるための書類作り」ではなく、「現場が使って、改善に活かすための道具」です 。具体的には、以下の3つの行動を大切にしてください。

    ① ルール(標準)を知り、守る

    マニュアルや作業手順書、QC工程表は、私たちが過去の失敗から学び、たどり着いた「一番いいやり方」をまとめたものです

    • アクション:作業を始める前に、最新の図面や手順書を確認する 。
    • 理由:自己流での作業は、品質のバラつきや事故のリスクを生むためです 。

    ② 証拠(記録)を正しく残す

    「やった」という証拠がなければ、後から改善することができません

    • アクション:作業日報や検査記録表に、数値や判子、日付を漏れなく記入する 。
    • 理由:万が一トラブルが起きたとき、記録があれば「どこで問題が起きたか」をすぐに特定し、対策を打つことができる(トレーサビリティ)からです 。

    ③ 異常があったら「声を上げる」

    「不適合」とは、単なるミスではなく「改善のチャンス」です

    • アクション:製品の傷、寸法の狂い、機械の異音など、「いつもと違う」と感じたらすぐに報告する 。
    • 理由:異常を隠さず共有することで、二度と同じ問題が起きない「より強い仕組み」を全員で作っていけるからです 。


    5. ISOが豊和鍛工の「匠の技」を守る

    私たちの誇りである「型鍛造」の技術は、一朝一夕で身に付くものではありません。しかし、ベテランの素晴らしい技術(力量)も、その人一人の頭の中にしかない状態では、いつか失われてしまいます

    ISOの仕組みを使って、技術や手順を「標準化」し、文書化しておくことは、私たちの大切な技術を次世代に繋ぐことそのものです 。標準化されることで、若手社員も早く一人前になれ、ベテランはさらに高度な技術開発に専念できるようになります 。


    今回のまとめ:作成・確認する帳票

    第1回の締めくくりとして、皆さんに今日から意識してほしい「IMSマニュアルに関連する帳票」を挙げます。

    • IMS基本方針(掲示物):豊和鍛工の進むべき道が書かれた「看板」です。最新版に「気候変動」や「技術の引継ぎ」が書かれているか確認してみてください 。
    • QC工程表・作業手順書:「どうやるか」が書かれたルールの中心です。必ず最新版が手元にある状態で作業してください 。
    • 作業日報・検査記録表:「どうやったか」を残す、私たちの仕事の誇りの証拠です。正確に記入しましょう 。


    先輩マネージャーより一言

    ISOは難しいものではありません。「お客様に喜んでもらいたい」「ムダなく仕事をしたい」という、私たちが普段から思っていることを形にしただけのものです

    次回、第2回は「豊和鍛工の看板を理解しよう〜IMS基本方針の深掘り〜」です。最新版で追加された「気候変動への配慮」など、私たちがこれからどう変わっていくのかを詳しく解説します。

    一緒に「現場で本当に役立つISO」を作っていきましょう!


    次回予告:第2回「豊和鍛工の看板(IMS方針)を理解しよう」